mainitikodoku’s diary

自分自身への覚え書きを兼ねたもの

陳腐な関係2

いつもの待ち合わせ場所に車で到着したA子。

程なくして、B男が到着し、車に乗り込む。

言葉はない。

長い沈黙。

 

『あーーー、疲れた』

B男が沈黙を破った。

 

A子『来週の月曜日に会ってからしばらく連絡しないってことでいんだよね?月曜日はどうやって過ごす?普通にラブホ?』

 

B男『最後にランチに行ってパアッとしてもいいし。それにラブホに行ってもできんかも』

 

A子『なんで最後?3週間時間を置くだけでしょ?』

 

B男『結局、最後になるよ。今いい返事が聞けないんだから、3週間あけても答えは一緒だよ。』

 

A子『ランチには行きたくない。もうこれ以上思い出は増やしたくない』

 

B男『A子はそういう考え方だよね。白か黒しかない。今回だって、まだ会えなくなるかどうかもわからないのに』

 

A子『だって、あなたは家族のためだから仕方ないで済むかもしれないけど、私は心がしんどいよ。今まで月に8回くらい会ってたのに、1回になるなんて』

 

B男『だから、息子が帰ってみなくちゃ、どうなるかなんてわからないんだよ。普通に月に8回会えるかもしれないし、電話やメールもできると思うよ。俺は好きだから、それでも続けていきたいのに、お前は会わない方を選んだ。ショックだったよ』

 

A子『じゃあ、なんで月に1回しか会えなくなるとか言うの?メールも電話も今までみたいにできなくなるって言ったじゃない』

 

B男『1番最悪なことを言っておかないと、そうなった時にA子はキーキー怒るだろう?だからそう言ったんだ』

 

A子『やっぱり月に1回になる可能性はあるんじゃんか』

 

そんなやりとりが続いた。

ある時間がきて、B男が飲み物を買いに行った。

A子にはミルクティー、B男はお酒を飲み始めた。

 

A子『月曜日はラブホで思い出話になるね』

 

B男『そりゃ、もう未来はないんだから過去の話しかできないね、俺はどこに行ってもA子とここに行ったな、A子ならこう言うだろうな、とかしょっちゅう思い出すと思う』

 

A子『私だってそうよ。今まで貰った物もたくさんあるし。捨てよっかな、どうにかしたい。』

 

B男『じゃあ、別れるって決めたら一緒に捨てに行こう』

 

A子『あはは、それじゃあまた会うじゃんか。別れた後にはもう会いたくないよ』

 

次第にB男が酔ってきた。

 

B男がキスをしてこう耳元で囁いた。

 

『捨てないでください』

 

A子は泣き出した。

 

A子『じゃあ、会えるように努力してくれる?寂しくさせない?』

B男『うん、努力するし、寂しくさせない。田舎の方のお店にはなるかもしれないけど、A子の好きなランチにも付き合う。旅行にも行こう』

A子『じゃあ、別れない。息子が帰ってきてどうなるのか様子をみてからにする。でもどうせ酔ってて、いつものように覚えてないんでしょう?』

B男『ちゃんと覚えてるよ。明日の朝覚えてるってメールする』

 

2人の陳腐な関係がまだ続くことになった。

朝、A子のもとにこんなメールが届いた。

 

 

おはよ。
なんと爽やかな晴れやかな朝じゃあ~りませんか。
12月以後もたくさん逢えるように努力することを宣言した!
寂しくさせないようにがんばる。
A子のおかげで気分はいい。